2012/10/27

幸福実現党の自作自演アンケート「沖縄全市町村調査の結果、県民の本当の気持ちが見えてきました」

この記事のまとめ。

  • 沖縄統計調査センターの調査は、幸福実現党の自作自演
  • アンケートの質問は誘導的なので、回答の数字は信用できない
  • 幸福実現党の意見広告はアンケートの結果を歪曲している


さて、Twitterを見ていて、こういうものに目がとまりました。

8月12日に幸福実現党の出した「事実を知ろう。」という意見広告に、「沖縄全市町村調査の結果、県民の本当の気持ちが見えてきました 尖閣諸島の自衛隊配備:必要82% 沖縄独立:反対99% #沖縄 」などとするものがあったようです。

かなり極端な数字が出ているので、こういうとき真っ先に疑われるのは、誘導的な質問です。そこで、アンケートではどのような質問がされていたのかを確認するため、調査の詳細をインターネットで検索してみようと思いました。

ところが、調査主体とされる「沖縄統計調査センター」というのが、この意見広告とその感想以外に出てきません。

意見広告に対する反応以外では、この沖縄の防衛に関する県民意識調査というブログが唯一の言及例のようでした。沖縄統計調査センターとの関連ははっきりしませんが、調査の実施方法を掲載している唯一のリソースであることを考えると、どうやら、沖縄統計調査センターがこの調査のために作ったブログのようです。


このブログに掲載されているアンケートの質問を確認すると、案の定、誘導的な質問ばかりでした。

たとえば、「現行憲法では、被害が出てからしか、自衛隊は行動できません。「被害が出ないように防衛する為に憲法を改正するべき」だと思いますか?」といった質問です。

これでは、回答者は「自衛隊の被害を防ぐために憲法を改正しなければ…」と感じるように誘導されてしまいます。

さらに、アンケートが提示する選択肢にも偏りがあります。

たとえば、沖縄の独立についてアンケートでは、「独立を望んでいない」と「独立したいと思っていた」の2つしか選択肢が提示されていないので、「独立すべきだが時期尚早である」等といった意見が反映されていません。

まともな調査会社なら、こういう誘導的な質問をすることはありえません。


また、アンケートの回答の選択肢と、幸福実現党が出している意見広告の回答にも、文言に食いちがいがあります。

たとえば、アンケートでは沖縄の独立について「独立を望んでいない」という選択肢を提示していますが、これが意見広告では「独立反対」に化けています。(12:48追記:沖縄統計調査センターのブログに取りまとめられた段階ですでに「独立反対」とされていた。日付は逆転するがこちらが先に調査報告に書いたものと思われる。)

先島諸島への自衛隊の配備について、アンケートでは「配備したほうがいい」という選択肢を提示していますが、意見広告では「必要」となっています。

アンケートの回答者は「沖縄の独立は望んでいないが、反対しているわけでもない」、「先島諸島に自衛隊を配備したほうがいいと思うが、必要とは考えない」と思っているかもしれないのに、意見広告は、回答者の意見を勝手にねじ曲げています。



「沖縄統計調査センター」なるものが、まっとうな調査会社でないことは明らかです。

何者でしょうか?

沖縄統計調査センターの住所を検索すると、「カーブレーン倶楽部」という中古車販売店の住所と同じです。店舗写真を載せているページがありますが、同じビルに調査会社が同居しているようには見えません。

沖縄統計調査センターの電話番号は、この中古車販売店の FAX 番号とまったく同じです。

沖縄統計調査センターの実体は、中古車販売店「カーブレーン倶楽部」であると言っていいでしょう。


では、幸福実現党はなぜ実績ある調査会社ではなく、中古車販売店にアンケート調査を依頼したのでしょうか。

この中古車販売店が幸福実現党の支持者(そしておそらく幸福の科学の信徒)であり、幸福実現党の主張に都合のよいデータを提供するため、沖縄県民の意見を捏造しようとしたものと考えて、まず間違いないのではないでしょうか。


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