2013/06/23

【デマ続報】「もったいない」か「役得」か、余った「給食」を食べていた保育所調理員たちの行為は“悪”なのか

産経新聞(大阪本社版)で以下のような報道がありました。

兵庫県の西宮市で、公立保育所の余った給食を調理員らが食べていたので、市議が問題提起した、というものです。この報道を受けて、さまざまなサイトやブログで取りあげられました。代表的なものを以下に挙げます。

西宮市の公立保育所において調理員らが給食を食べている、という問題については、昨年12月にも共同通信が取りあげて話題になったことがあります。この共同報道にしても、今回の産経報道にしても「余った給食を破棄するのはもったいないのではないか」、いわば「もったいない論争」が提起されているような書きかたです。

前回報道のときは、「こんなくだらないことを取りあげた市議がいる」といった糾弾や侮蔑のニュアンスを伴う、なかば中傷ともいえるような反応が市議や市役所に寄せられました。

しかし、この問題を提起した西宮市議・澁谷祐介さんは、そういう視点だけから取りあげているわけではありません。

澁谷市議が指摘しているのは、「一部の正規調理員に職務怠慢があり、仕事を保育士や臨時調理員などに押しつけ、子どもの養育を軽視しており、保育所長らもそれを知りながら是正しようとしない、これは組織的な問題なのではないか」ということです。

今回報道でも触れられている「内部告発」については、すでに澁谷市議のブログにて紹介されていますし、当ブログでも書き起こしをしたことがありました。

当ブログで書き起こした告発のうち、代表的なものをいくつかご紹介しておきます。

保育所の給食は塩分摂取量がきまっているはず。それをもとに管理栄養士が計算して献立を決めているのに、醤油・油、塩などの調味料は大目に入れていた。献立どおりするとまずいから、自分の舌で調整しながら作るように指導された。これはどうなのか??毎回私が作る分には味が薄いと濃くするように命じられた。完璧な数字で調理はできないが、保育所は薄味調理でないといけないと思っていました。職員の好みで、ましてや自分たちが食べるために濃い目の味付けはおかしいです。

■■■■さんに発注していたかつおだしはかなり高級で驚きでした。昆布だしも高級でした。それを週に2袋使っていました。金額は不確かですが、保育所給食に必要なのでしょうか?使い方も豪快で、まさしく税金の無駄遣い!給食費の無駄遣いに感じました。

15時から16時は事務処理を理由に休憩室に入っておやつを食べながらくつろいでいました。事務処理のないプールさんや嘱託Bは横になって寝ていることもありました。私と職員は簡単な事務処理なのですぐに終わり、16時までゆっくりすることが多かったです。とにかく休憩は多かったです。16時からおやつの片づけをし、16時半には必ず休憩室に入り、45分を待ちながら着替えていました。明らかに保育士も所長もわかっていたと思います。

所長に職員の仕事ぶりに理解できないと相談しに行った時、私に「所長会でも、調理員の悪態や、組合が強いことで、所長達も困っていることが、実際に問題点として上がっている。」ともらしていた。この時、明らかに保育所運営上、調理員が協力しないことなど、以前から所長自身、把握していたことが分かった。

土曜日は私が配属されてからずっと2人勤務でした。実際に園児は多くて30人弱程しか登園しておらず、ずっと1人でも十分に仕事が出来ていたのにも関わらず、大変だということを所長にアピールし、2人勤務を了承させていた。全くの人件費のムダ使いだと思っていました。

長年勤務していたプールさん、嘱託さんが、嘱託Aは職員が楽するために導入された制度やと言っていた。これだけ仕事をしない職員を手助けするAは必要なのか、疑問に思った。

現業職の組合はこれほど劣悪な職場環境をつくっていた職員の実態を把握していたのか。その上でまだ雇用を守るのか!?

デマ?西宮市の公立保育所「調理員が給食を食べていた」事件について告発文を書き起こし - こりゃ、ほたえな

ここで引用したものはごく一部でしかありませんが、これだけでも、たんなる「もったいない論争」ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

総合すると、「正規職員と、その他の嘱託職員などの待遇に格差があり、正規職員は自分たちが働きたくないので嘱託職員らに仕事を押しつけ、給食を作るときも自分好みの味つけや分量に変え、自分が食べたい分だけ先に取るので子どもたちに行きわたらないことがある」というものです。

今回の産経報道について、澁谷市議は「今回の記事は、とても丁寧」「これまでもいうべきことは適宜ブログに書いてきたので、特にコメントはありません」としていますが、「役得」という視点が持ちこまれたとはいえ、上記の論点がていねいに掘りさげられたものでないことに変わりはありません。

決して、たんなる「もったいない論争」ではないですので、ご注意ください。

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