2012/12/30

デマ「安倍晋三内閣は河野談話の否定を閣議決定している」を検証

昨日今日に始まったことではないですが、従軍慰安婦の問題について「2007年(平成19年)に安倍晋三内閣が河野談話の否定を閣議決定した」というデマが流行しているので、当時の答弁書、会議録を掲載しておきます。

ことの発端は2007年1月、アメリカ議会において日系人のマイク・ホンダ下院議員が、従軍慰安婦に関して日本政府の謝罪を求める決議案を提出したことでした。この動きに対して、日本国内ではアメリカを盟友と信じてきた歴史修正主義者らがヒステリックな反応を示しました。

安倍首相はこうした状況を受けて、「強制性を裏付けるものがなかった」として河野談話の見直しを示唆しました。

安倍晋三内閣総理大臣による辻元清美議員の質問主意書に対する答弁書(2007年3月16日)

平成十九年三月八日提出 質問第一一〇号

安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問主意書
提出者  辻元清美


安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問主意書


 米国議会下院で、「慰安婦」問題に関して日本政府に謝罪を求める決議案(以下決議案)が準備されている。これに対し安倍首相が総裁を務める自民党内部から「河野官房長官談話」見直しの動きがあり、また首相自ら「米決議があったから、我々が謝罪するということはない。決議案は客観的な事実に基づいていない」「当初、定義されていた強制性を裏付けるものはなかった。その証拠はなかったのは事実ではないかと思う」と述べ、談話見直しの必要性については「定義が変わったということを前提に考えなければならないと思う」と述べたことから、米国内やアジア各国首脳から不快感を示す声があがっている。
 同時に安倍首相は、米国に対して「引き続き理解を得るための努力を行っている」と述べている。米下院外交委アジア太平洋地球環境小委員会のファレオマバエンガ小委員長もまた、「米国を訪れる安倍首相に恥ずかしい思いをさせたくない」と述べ、下院決議の採択を四月下旬に予定される首相訪米後へ先送りすることを明言した。首相訪米に先立ち、日本政府は米国の誤解を解き、「慰安婦」問題に対する態度を明確にすることが求められている。
 一方、新聞報道によれば、安倍首相は「河野談話が閣議決定されていると誤認していたこともあり、河野談話を継承すると表明した」(二〇〇七年三月六日・産経新聞)とされている。「河野談話」については明白な政治の決定プロセスを欠いていることも米国の誤解を生む一因と考えられるため、「河野談話を継承する」と首相や官房長官が明言している現内閣において閣議決定を検討すべきでは、という意見もある。
 さらに、米国議会下院では、日本軍当局が慰安所運営に直接関わったことを示す証拠として中曽根康弘元首相の回顧録『終わりなき海軍-若い世代へ伝えたい残したい』(発行年月日:一九七八年六月一五日、発行所:株式会社文化放送開発センター出版部、編著:松浦敬紀)が提出された。同書の中で中曽根元首相は、「三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安所をつくってやったこともある。」(同書第一刷九八頁)と記述している。「慰安婦」「慰安所」に関する証言を得ることは年々困難になっている。日本の首相経験者が当時大日本帝国の軍人として直接的に慰安所設立・運営に関わり証言まで残している以上、日本政府には早急かつ充分な調査を期待するものである。


 従って、以下、質問する。


一 《安倍首相の発言》について
 1 「定義が変わったことを前提に」と安倍首相は発言しているが、何の定義が、いつ、どこで、どのように変わった事実があるのか。変わった理由は何か。具体的に明らかにされたい。
 2 「当初、定義されていた強制性を裏付けるものはなかった。その証拠はなかったのは事実ではないかと思う」と安倍首相は発言しているが、政府は首相が「なかったのは事実」と断定するに足る「証拠」の所在調査をいつ、どのような方法で行ったのか。予算を含めた調査結果の詳細を明らかにされたい。
 3 安倍首相は、どのような資料があれば、「当初、定義されていた強制性を裏付ける証拠」になるという認識か。
 4 「理解を得るための努力」とは具体的にどのような行為を指しているのか。複数あればすべて明らかにされたい。
 5 安倍首相は、「決議案」のどの部分が、どのように「客観的な事実に基づいていない」と判断しているのか。文言ごとにすべて明らかにされたい。また政府は、指摘部分以外はすべて「客観的な事実に基づいて」いるという認識でよいか。


二 《米下院外交委アジア太平洋地球環境小委員長の発言》について
 1 米下院外交委アジア太平洋地球環境小委員長はなぜ安倍首相が「恥ずかしい思い」をすると考えたのか。安倍首相の認識を示されたい。
 2 米下院で「慰安婦」問題に関して「決議案」が採決された場合、安倍首相は「恥ずかしい思い」をするのか。安倍首相の認識を示されたい。


三 《「河野官房長官談話」の閣議決定》について
 1 「河野官房長官談話」が閣議決定されていないのは事実か。事実であるなら、どのような扱いなのか。
 2 安倍首相は、「河野官房長官談話」を継承すると発言している以上、「河野官房長官談話」を閣議決定する意思はあるか。ないのであれば、その理由を明らかにされたい。
 3 政府は「慰安婦」問題について「すでに謝罪済み」という立場をとっているが、いつの、どの文書や談話をもって謝罪しているという認識か。すべて示されたい。


四 《中曽根康弘元首相の回顧録》について
 1 安倍首相は、中曽根康弘元首相が「慰安所をつくってやった」という事実を知っていたか。
 2 「慰安所」設立・運営に対し、軍の関与のもとでいかなる「強制」があったか、政府は中曽根康弘元首相への調査を行ったか。行ったのであれば、調査結果をすべて明らかにされたい。
 3 行ってないのであれば、政府は中曽根康弘元首相への調査を行う予定があるのか。時期・調査項目など詳細について明らかにされたい。行う予定がなければ、なぜ行わないのか理由を示されたい。


 右質問する。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166110.htm

平成十九年三月十六日受領 答弁第一一〇号


内閣衆質一六六第一一〇号
平成十九年三月十六日
内閣総理大臣 安倍晋三


衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員辻元清美君提出安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


衆議院議員辻元清美君提出安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対する答弁書


一の1から3までについて
 お尋ねは、「強制性」の定義に関連するものであるが、慰安婦問題については、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、同月四日の内閣官房長官談話(以下「官房長官談話」という。)のとおりとなったものである。また、同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである。
 調査結果の詳細については、「いわゆる従軍慰安婦問題について」(平成五年八月四日内閣官房内閣外政審議室)において既に公表しているところであるが、調査に関する予算の執行に関する資料については、その保存期間が経過していることから保存されておらず、これについてお答えすることは困難である。
一の4について
 在米国日本大使館を始めとする政府関係者から、米国議会及び行政府関係者等、各方面に対し、日本政府の立場について十分説明し、米国側の理解が得られるよう最大限努力している。
 他方、説明の相手方との関係もあり、それらの説明の個々の事例について明らかにすることは差し控えたい。
一の5について
 御指摘の決議案については、米国議会で今後議論されていくものでもあり、政府として、その問題点を一つ一つ取り上げて意見を述べることは差し控えたいが、全般的に、慰安婦問題に関する事実関係、特に、慰安婦問題に対する日本政府の取組に対して正しい理解がされていないと考えている。


二の1について
 御指摘の米国の小委員長の発言の理由について推測を述べることは差し控えたい。
二の2について
 御指摘の決議案については、米国議会で今後議論されていくものであり、これが採択された場合という仮定に立った質問にお答えすることは差し控えたい。


三の1について
 官房長官談話は、閣議決定はされていないが、歴代の内閣が継承しているものである。
三の2について
 政府の基本的立場は、官房長官談話を継承しているというものであり、その内容を閣議決定することは考えていない。
三の3について
 御指摘の件については、官房長官談話においてお詫びと反省の気持ちを申し上げているとおりである。


四の1について
 御指摘の回顧録の中に御指摘の記述があることは承知している。
四の2及び3について
 関係者からの聞き取り調査について、特定の個人を識別することができる情報を記録していること等から個々の内容は公表しないこととしており、御指摘の調査については、答弁を差し控えたい。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b166110.htm

歴史修正主義者の多くが誤解していますが、そもそも河野談話は、日本の軍や官憲による直接的な強制連行の証拠があるとは述べておらず、日本政府の戦争責任を誠実に受け入れるといった内容のものではありません。

安倍首相は、歴史的事実についての明言は避け、河野談話を継承するとしながらも、閣議決定をするつもりはないと答えています。

参議院予算委員会における安倍晋三内閣総理大臣および麻生太郎外務大臣による吉川春子議員との会議録(2007年3月26日)

吉川議員が紹介しているように、この年の3月1日、安倍首相は官邸における記者団の質問に対し、「強制性を裏付ける証拠がなかった」と発言し、国会において多数の確認が行われました。ここで引用するのはその一部であり、さきに引用した辻元議員の質問主意者を含め、前後して同様の質問が繰りかえされています*1。そうしたなかで吉川議員との応答を取りあげたのは、単純に「面白いから」ですw

○吉川春子君 日本共産党の吉川春子でございます。
 安倍総理に慰安婦問題についてお伺いいたします。
 安倍総理は、三月一日の夜、官邸で記者団の質問に答えて、九三年の河野官房長官談話について、当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だと語られました。そうですか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に今まで何回か答弁を申し上げているわけでございますが、私は河野官房長官談話を継承していくということを申し上げているわけでございまして、そしてまた慰安婦の方々に対しまして御同情を申し上げますし、またそういう立場に置かれたことについてはおわびも申し上げてきたとおりでありまして、今まで答弁してきたとおりであります。


○吉川春子君 当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だと、このようにおっしゃったんですか、おっしゃらないんですか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、今まで累次この場においてもまた本会議の場においても答弁をしてきたとおりでございまして、それを見ていただければ分かるとおりであります。


○吉川春子君 そういう発言はなかったと、取り消されるんですね。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 累次、今まで答弁してきたとおりでございます。
 ですから、今、吉川議員がおっしゃったことも私は答弁をしてきた中の中身でございます。


○吉川春子君 総理が記者会見で官邸でおっしゃったかどうかだけを私伺っているんですけれども。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 強制性について私が申し上げたことは、記者会見で申し上げたことはすべてこれはニュースにもなっておりますから、それはそのとおりであります。


○吉川春子君 官房長官談話では、広範な地域に慰安所が設置された、慰安所は軍の要請によって設置された、慰安所の管理運営、慰安婦の移送について旧日本軍が直接又は間接に関与したとしております。これはお認めになるんですね。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をいたしましたように、河野官房長官談話を継承しているということは、この官房長官談話を正に引き継いでいるわけでありますから、その中身も、それを引き継いでいるということでございます。


○吉川春子君 さらに談話では、慰安婦の募集について、本人の意思に反して集められた、官憲が直接これに加担したこともあった、慰安所の生活は強制的状況で痛ましいものであったと言っていますが、これもお認めになりますか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 河野官房長官談話を継承すると、このように申し上げております。


○吉川春子君 お認めになるんですね、今言ったこと。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうです。


○吉川春子君 河野談話の内容と、それから首相官邸での記者会見の強制性はないという発言は矛盾すると思いますが、談話を受け継ぐとおっしゃるならば、この発言は取り消されたらいいと思うんです。いかがでしょう。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうした発言も含めて今私は答弁をしているわけでございますが、この河野官房長官談話を継承していくということでございます。


○吉川春子君 今年一月三十一日、米下院外交委員会で慰安婦について決議案が出され、二月十五日、慰安婦被害者三女性、つまり、オランダ人一人、韓国人二人が証言しました。
 安倍総理は、この証言内容について強制性を裏付ける事例、証拠というふうにお考えになりますか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) この米議会の証言について私がここでコメントする立場にはございませんが、河野官房長官談話について、これは継承していると、継承していくと申し上げたとおりであります。


○吉川春子君 強制性を裏付ける証拠がないというふうに言われているわけですけれども、これは強制性を裏付ける証拠であるというふうにお考えになりませんか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米議会における証言については、私はここで立ち入ることはいたしません。既に私も累次その強制性については申し上げてきたとおりであります。


○吉川春子君 外務大臣、お伺いしますが、この三人の証言のうちの一人はオランダ人です。オランダ人が慰安婦にされた経過はどのように報告されていますか。


○国務大臣(麻生太郎君) 経過ですか。


○吉川春子君 そうです。


○国務大臣(麻生太郎君) インドネシアはオランダ領だったんだと思いますが。


○吉川春子君 それだけでは慰安婦は発生しませんね。その後どうなったんですか。


○国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問の内容は、その経過はと言われたんで、インドネシアはオランダ領だったから起きたと申し上げたところまでは御理解いただけているという前提でよろしゅうございますね。


○吉川春子君 はい、結構です。


○国務大臣(麻生太郎君) その後、先ほど河野官房長官談話の話というのを安倍総理からずらっと言われた一連の関係の中にすべて物語っていると私もそう思います。


○吉川春子君 オランダ人は強制収容されて、強制収容所から女性たちが軍隊によって拉致されて慰安所に入れられたと、こういうことですね。


○国務大臣(麻生太郎君) 私は、その方の証言はそうなっておるというように理解しております。


○吉川春子君 アジア女性基金の報告書はそれと違う内容になっていますか。


○国務大臣(麻生太郎君) オランダのところ、オランダ人のところの細目はよく存じませんけれども、そのようになっておるかどうか、ちょっと今のこの段階で存じているわけではございません。


○吉川春子君 事務局、答えてください。通告してあるでしょう。


○国務大臣(麻生太郎君) 事務局から何か言われておりませんので、私が代わりに読ませていただきます。
 平成五年八月、河野官房長官談話の際に発表された調査結果でも明らかにされているとおり、現在、インドネシアに慰安所が存在したこと及び慰安婦の出身地としてオランダが含まれていることは確認されましたと書いてあります。


○吉川春子君 強制収容所にオランダ人を収容し、その中から若い女性だけを選んで拉致して慰安所に連れていった、この証言があったと外務大臣言われました。これは強制性に当たらないんですか、総理大臣。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) このオランダ人の女性も含めてこの官房長官談話は出されているわけであります。ちなみに、軍がその事実を知って直ちに慰安所を閉鎖したと、こういう事実関係があるわけであります。


○吉川春子君 軍が関与し、強制されて慰安婦にされたんですね。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、つまりその事実を軍が知って、軍がその慰安所を閉鎖をしたと、こういう事実関係がございます。


○吉川春子君 法務省に伺います。
 平成十六年十二月十五日、東京高裁において中国山西省の慰安婦の事件が判決が出ましたけれども、事件の背景事情としてどのようなことが認定されていますか。


○政府参考人(大竹たかし君) お答えいたします。
 御指摘の判決は、原告らの主張は法的根拠がないとして請求は棄却されておりますけれども、その御指摘の判決文によりますと、旧日本軍の北シナ方面軍が一九四〇年から四二年にかけて、いわゆる三光作戦を実施する中で、日本軍構成員らが駐屯地近くに住む中国人女性を強制的に拉致、連行して性的暴行を加え、監禁状態にして、いわゆる慰安婦状態にする事件があったとの事実認定がなされております。
 ただ、判決文において、慰安所においてそのような行為が行われたという事実は認定されておりません。


○吉川春子君 四人の控訴人の中の二人の女性の事実について報告していただきたいと思います。


○政府参考人(大竹たかし君) 判決文によれば、原告の供述に基づいて以下のような事実を認定したということでございます。
 まず、原告のうち十五歳の未婚の女性については、一九四二年、日本軍兵士らによって自宅から日本軍の駐屯地のあった村に拉致、連行、監禁され、複数の日本軍兵士らに性的暴行を繰り返されたとされ、もう一人の未婚の原告については、一九四二年、三人の中国人と三人の武装した日本軍兵士らによって無理やり自宅から連れ出されて日本軍駐屯地に拉致、連行、監禁され、上記三人の中国人のほか多数の日本軍兵士らによって性的暴行を加えられたとされております。


○吉川春子君 この事実について、強制の事例と安倍総理大臣、お認めになりますね。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる従軍慰安婦については河野官房長官談話で申し上げているとおりでございます。


○吉川春子君 日本軍が拉致、連行して慰安婦にしたという事実を裁判所が認定していますが、これは認めますか。証拠になりませんか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) この裁判の結果については、これは国側が勝訴していると、このように承知をしておりますが、いずれにせよ、河野官房長官談話で述べられているとおりであります。


○吉川春子君 日本軍の兵士による拉致、連行によって慰安婦にさせられたという事実を裁判所は認定しているんです。それを強制性と認めるかどうかということを安倍総理に聞いています。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ請求自体は棄却をされているわけでありまして、この判示の事実認定部分は傍論であるということでございまして、言わば法律上重要ではないと、このように考えております。


○吉川春子君 それでは、証拠にはなり得ない、総理のおっしゃる証拠にはなり得ないということですか。確認します。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおりであります。


○吉川春子君 これを、裁判所の認定は認めるのか認めないのか。否定するんですか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおりであります。


○吉川春子君 甘言であれ、強制連行、拉致であれ、慰安所は日本軍管理下の下、逃げられず、慰安婦とされた女性たちは毎日レイプされたんです。ワシントン・ポストによれば、身の毛のよだつような体験の証言をしたと、こう言っているんです。これをもって強制性はなかったとそれでも総理大臣はおっしゃるんですか。そのことを端的に、あなたの考えを言ってください。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に私の考えは申し上げているとおりでありまして、河野官房長官談話で述べられているとおりでございまして、この考え方を継承していくということでございます。


○吉川春子君 兵士による拉致、連行も河野官房長官談話の中に含まれているということでいいですね。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの裁判の事案につきましては、別途私が答弁したとおりであります。


○吉川春子君 裁判の事案でなくても、オランダも挙げました。どうですか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) オランダの事案につきましては河野官房長官談話で述べられたとおりであります。


○吉川春子君 オランダの事案は、日本軍による拉致、連行によって慰安婦にさせられた事例です。それを安倍総理はお認めになったということですが、安倍総理、慰安婦の被害者の女性たちが今何を一番望んでいるとあなたはお考えですか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、もう常々申し上げておりますように、慰安婦の方々が辛酸をなめられたわけでありまして、御同情申し上げますし、当時そういう状況に置かれたことにつきましてはおわびを申し上げているとおりであります。


○吉川春子君 今日までまだPTSDで苦しんでいるんですよ。日本政府が本当に心から公式に謝ってほしいと思っているんです。
 総理、公式に謝る必要があると思いませんか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私はここでおわびを申し上げているわけであります。内閣総理大臣としておわびを申し上げているわけでありますし、河野官房長官談話で申し上げているとおりであります。


○吉川春子君 河野官房長官談話は閣議決定されていません。
 それでは、閣議決定しますか。


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 河野官房長官談話ですべてでございます。


○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っております。吉川春子君。


○吉川春子君 安倍総理、一度被害者に直接お会いいただきたいと思います。細田元官房長官はお会いになりましたけれども、安倍総理も直接、慰安婦にお目に掛かって謝罪をしていただきたい。そのことを最後にお願いします。いかがですか。


○委員長(尾辻秀久君) 時間が過ぎておりますから、指名はいたしません。
 以上で吉川春子君の質疑は終了いたしました。(拍手)

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/166/0014/16603260014013a.html

第一次安倍内閣が2007年に河野談話を否定したとするデマは古くから存在し、もとは中央日報の誤報(誤訳)記事にルーツがあります。このデマは、とくに今年(2012年)に入って流行が激しくなり、たびたび誤りを指摘する記事が立てられています。

わずか5年前の事実ですら否認するくらいですから、今後もこのようなウソは伝播しつづけるのでしょうね。

*1:そのため安倍首相は、そのつど「河野談話を継承している」と答えなければなりませんでした。おそらく歴代内閣のなかでももっとも多く「河野談話を継承している」と言明した首相でしょうw

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