2014/04/26

弁護士の小倉秀夫さんが「法に触れてもやるのが新しい弁護士の姿」とツイートしてる件

弁護士の小倉秀夫さんが「法に触れてもやるのが新しい弁護士の姿」とツイートしてる件が、ときどき取りあげられるんですけど…。ああ、これの件ね。

なるほど。これを見ると、小倉さんが「依頼者のためなら法をも犯してみせるぞ」と言っているように見える。

前後のツイートを確認してみよう

だいぶ印象が違ってるような気がするね。

いわゆる司法改革によって弁護士になる人が増えると、弁護士間での競争が激しくなり、案件欲しさのあまり触法行為に走る「新しい弁護士」が出現するだろう(だからサービス業化には反対だ)、という警告のようにオレには見えるんですよ。

2014/02/08

MIMPIというアクションパズルゲームが面白かったので、滑車の攻略方法を貼りつけておくよ

MIMPIというアクションパズルゲームが面白かった。MIMPI(ミンピ)というのは、このゲームの主人公になる白い犬の名前で(インドネシア語で「夢」という意味なんだそうな)、飼い主を探して夢の世界を冒険する…というストーリー。ミンピのいろんなしぐさがいかにも子犬っぽくて超かわいい。


開発元のオフィシャル予告動画。

ちょっと手こずったのは、滑車にロープを巻きつける箇所で、あとでプレイしたときに自分で見るので画面を貼りつけておくよ。おまけでスイッチも…と思ったけど、プレイするたび正解が変わるっぽいです。

  • ステージ 2-3
  • ステージ 2-14
  • ステージ 3-7
  • ステージ 4-2
  • ステージ 4-12
  • ステージ 5-4
  • ステージ 6-1

気が向いたら、その他のシーンの攻略情報も掲載するかもしれないです。6~7回くらい通してクリアしました。リクエストはコメント欄によろしくです。

2014/01/11

【ガセ】美男美女カップルと似ていない子どもたちの写真【捏造】

疑わしい写真

このようなツイートと写真を見かけました。

美男美女とその2人の子どもと思われる3人、合わせて5人が写っている家族写真ですが、子どもがみな同じ顔をしていて両親のどちらにも似ていません。このツイートが告げるように、両親が整形しているのでしょうか。また、ツイートの主は、これを韓国人の家族だと言っているようです。

本当でしょうか?

もう1つのストーリー

この写真は、海外では別のストーリーとともに語られているようです。概要は以下のようなものです。

中国人の男性 Jian Feng は、生まれた子どもの容貌が悪かったため、妻の浮気を疑って裁判所に告発した。その結果、妻が美容整形をしていたことを告白し、男性は離婚と賠償金を勝ちとった。

冒頭の写真は、この夫婦の写真だというのです。

本当でしょうか?

海外では2013年11月、この離婚裁判のストーリーに冒頭の写真をつけて、おかしなニュースとして盛大に報道されました。たとえば、米国シカゴの放送局WGNのテレビ番組などです。これは日本のテレビ局でも取りあげられています。

離婚ストーリーと写真は無関係

こうした離婚ストーリーが報道された直後、すぐに疑いを持った人たちがいて、この写真はニセものであると主張しています(Huffington Post41 Action News)。

というのも、離婚ストーリーでは、最初の娘が生まれた直後に離婚裁判が始まったことになっているのに、この写真ではさらに2人の子どもが生まれていることと、しかも仲のよさそうな家族写真を撮っていて、離婚裁判をしているようには見えないからです。

かれらによると、離婚ストーリーは2004年に報じられたもので、写真は美容外科クリニックの広告であるとしています。

2004年の離婚ストーリーは、チャイナデイリー紙(中国日報)の香港版が伝えたとしていますが、オレはその元となった記事を見つけることができませんでした。上記の批判者も同様に、ウソのニュースではないかと疑っているようです。

また、写真のほうは台湾の美容外科クリニックの広告として、すでに前年の2012年5月、RocketNews24(日本語版英語版)が紹介しています。

RocketNews24によれば、この写真は、中国の掲示板サイト猫撲貼貼論壇で取りあげられたものです。元の写真を見ると、「あなたが心配しなければならないことはたった一つ、子どもたちにどうやって説明するかだけです」というコピーと、美容外科クリニックの名前と思われる「簡單美」というロゴが入っています(猫撲貼貼論壇では香港のものとしていますが、正しくは台湾のクリニックです)。

この広告は、2つの意味に解釈できます。1つは、このクリニックは非常に技術力があるので、よけいな心配をしなくてよい、という商業的なメッセージ。もう1つは、美容整形をすることで、子どもたちとの信頼関係が崩れてしまうのではないか、という倫理的なメッセージです。

消されたロゴ

冒頭に引用された写真には、ロゴは入っていません。しかし美容外科クリニックの広告写真とされるものには、クリニックや掲示板のロゴが入っています。どちらか一方は、もう一方の写真を元にして作られたものです。どちらが元の写真だったのかお分かりになるでしょうか?

冒頭のロゴ無し写真をもういちど見てみましょう。男性の右ひざから少年のもものあたりにかけて、広告写真でロゴのあった場所が、なんだかぼんやりしているように見えます。とくに男性のスラックスのプリーツ(折り目)が、広告写真ではしっかりしていますが、ロゴ無し写真でははっきりせず、どことなくだらしない印象にさえ見えます。

広告写真からロゴ無し写真を作ることは可能であっても、ロゴ無し写真から広告写真を作るのは不可能だと考えられます。このことから、美容外科クリニックのロゴの入った広告写真を元にして、冒頭のロゴ無し写真が作られたことが明らかです。

ということは、だれかが元の広告写真からロゴやコピーをわざわざ消してしまった、ということになります。一体、どこの、だれが、なんの目的で消しちゃったのでしょうね? あなたはどのように推理しますか?

2013/12/17

蒼井そらさんが「売国奴」にされたことの真相

前回エントリで触れたおかしな報道の件、中国でも検証されていた。

劉彦偉さんは、中国版ツイッター『微博』で37万人以上のフォロワーをかかえる人気ライターだが、その劉さんが今回の一連の空騒ぎの一部始終について検証をしていた。

オレには中国語の繊細なニュアンスが分からないので、大ざっぱに要約するだけだが、その内容は以下のようなものだ。より正確な文面を知りたいひとは、劉彦偉さんの投稿本文をご覧ください。

今年2013年の8月8日、中国の軍事サイト『鉄血網』に、1人の一般ユーザーが書き込みをした。それが「五大売国的日本人」とされるものの正体で、蒼井そら、矢野浩二、井上清、宮崎駿、鳩山由紀夫が挙げられている。この書き込みは、たんに中国人が書いたというだけでなく、中国人の視点から書かれているのがポイントで、とくに矢野浩二にいたっては、日本人にはまったく知られていない人物だ。

この書き込みが、『新華網軍事』などのウェブサイトに転載されていくことになる。

3日後の11日、海外の中国語メディア『多維新聞網』の軍事カテゴリに、「五人の売国的日本人」が掲載された。これは明らかに前述の書き込みを元にしたものだが、同時に加筆も行われている。蒼井そらが釣魚島をめぐり中国の立場を支持した、というもので、蒼井が「釣魚島は中国のもの」と書いたとする写真を掲載している。

しかし実際は、この写真は中国のネットユーザーが加工したものであり、本来は「李娜さん、がんばれ」と書かれていたものである。蒼井が釣魚島問題で中国を支持したことはないし、とうぜん日本の右翼がボイコットすることなどありえないのである。

また矢野浩二は、中国ではたいへん有名であるが、日本ではまったくもって知られていない。日本の右翼がかれを攻撃することなど、ありえないのだ。

『多維新聞網』の記事が転載されるうちに、1人の日本人ブロガー宮崎正弘の目にとまることになった。宮崎は10月23日のブログ記事で『多維新聞網』軍事カテゴリの報道に拠るものとして、「中国で『英雄』視されている五人の日本人がいる」とし、その五人を列挙したうえで、「『この五人は日本の右翼に“売国奴”と非難されている』と報道した」としている。

それが宮崎正弘のブログ記事であることが知られないまま、最後には大げさに取り上げられるようになり、(『騰訊娯楽』に記事が掲載された)12月13日が到来したのである。

12月13日とは、なんの日だったか。これは南京事件のあった日なのである。この日の午前11時54分、矢野浩二が(中国版ツイッター)『微博』にこのように書いた。「今日は12月13日。われわれは亡くなった人々を追悼し、そして歴史に真正面から向きあわなければいけません。平和と友好こそが、ともに進歩していくための基本です」と。

午後3時34分、このサイト(『騰訊網』)の娯楽カテゴリに「矢野浩二が、ふたたび日本の右翼メディアによって五大売国奴に数え上げられる」とする記事が掲載された。この記事が多数のメディアに転載されていく元となった。この記事では、矢野浩二の午前のツイートが引用されている。

“苍井空被评卖国贼”的真相_腾讯网

以下は省略するが、非常に説得力のある検証だ。ぜひ投稿本文をご覧いただきたいと思う。


『多維新聞網』などが「売国」写真と伝えたもの。


蒼井そらさんが実際に書いたのは「李娜さん、がんばれ」というものだった。李娜さんは、中国の女子テニスプレイヤー。この応援メッセージについては、さまざまなメディアで報じられたので、Googleで検索すればいくつものバリエーションで見ることができる。

2013/12/15

【要出典】「日本右翼が五大売国奴を批判」と中国報道?レコードチャイナのいい加減さ

レコードチャイナが「『日本右翼が五大売国奴を批判』と中国報道、中国ネットユーザーの反応とは―中国メディア」と題して、以下のように伝えている。

2013年12月14日、金鷹網は記事「日本右翼メディア、蒼井そら、矢野浩二など五大売国奴を批判」を掲載した。 

ある「日本の総合軍事メディア」の報道によると、中国人に愛されている日本の著名人5人が日本では売国奴扱いされているという。その5人とは中国で活躍する俳優の矢野浩二さん、鳩山由紀夫元首相、宮崎駿監督、タレントの蒼井そらさん、小説家の井上清さんだという。 

この「五大売国奴」の記事は今年8月に米華字紙・多維網が報じたおもの。ただしその記事では「日本の総合軍事メディア」が報じたという文言はなく、多維網の記事が転載される過程で付け加えられた情報とみられる。 

なんともいいかげんな記事だが、1400件ものコメントがついている。日本を批判するコメントもあるが、「日本にはたった5人しか売国奴がいないの?中国の売国奴がそんなに少なかったら、ずっと昔に日本を滅ぼせていたよ」「日本の友人に敬意を評して、蒼井そら先生の海賊版AVをダウンロードします」「鳩山由紀夫って首相だっけ?」「いや元首相でしょ」「蒼井先生愛している」などのコメントも残されていた。(翻訳・編集/KT)

レコードチャイナ:「日本右翼が五大売国奴を批判」と中国報道、中国ネットユーザーの反応とは―中国メディア ※16時40分、記事が削除されたのを確認した。
「日本右翼が五大売国奴を批判」と中国報道、中国ネットユーザーの反応とは―中国メディア (Record China) - Yahoo!ニュース

レコードチャイナ記事のいい加減さ

「なんともいいかげんな記事」と断ずるこの記事こそ、いい加減な記事そのものだ。

レコードチャイナは、これを「金鷹網は…を掲載した」とするが、実際に金鷹網の記事を見ると、「騰訊娯楽が伝えるところによると」とある。この騰訊娯楽は、その名の通り、エンタメ情報を伝えるものだ。海外のエンタメ情報紙の報道を、政治的な文脈に持ちこむレコードチャイナ紙は、どうかしているのではないか。

レコードチャイナは、「この『五大売国奴』の記事は今年8月に米華字紙・多維網が報じたおもの(ママ)。ただしのその記事では『日本の総合軍事メディア』が報じたという文言はなく、多維網の記事が転載される過程で付け加えられた情報とみられる」と、しょうもない妄想を発揮している。

きちんと騰訊娯楽の記事を見れば、「日本の総合軍事メディアが、中国人に愛されている五人は、日本にとっては売国奴である、と報じている」とあり、一次報道の時点ですでにこの文言が入っていたことが分かる。ここでいう日本の総合軍事メディアとは、『宮崎正弘の国際ニュース・早読み』の4049号を指している。Googleで検索すればすぐに見つかるものだ。

この『宮崎正弘の国際ニュース・早読み』は、総合軍事メディアと呼ぶにはまったく似つかわしくないが、騰訊娯楽の指摘する事実は存在しているわけであり、レコードチャイナはみずからの取材不足によるデタラメを、中国メディアのせいにしているのである。

そして、この『早読み』4049号を見ると、「多維新聞網(2013年8月11日付け)によれば、これら五人は『日本の右翼が“売国奴”と非難している』と解説が附せられている」とあり、ここで多維新聞網の解説とされているものは、以下のページである(1つの記事が複数ページに分割されている)。

  1. 五位“背叛日本”的日本人_军事_多维新闻网
  2. 五位“背叛日本”的日本人_军事_多维新闻网
  3. 五位“背叛日本”的日本人_军事_多维新闻网
  4. 五位“背叛日本”的日本人_军事_多维新闻网
  5. 五位“背叛日本”的日本人_军事_多维新闻网

『早読み』では、「中国で『英雄』視されている五人の日本人がいる」としているが、多維新聞網が書いているのは、「日中関係が悪化すると、民間人が交流しただけで自国民から『売国』『裏切り』と非難される」というものであり、続けて「日本の極右勢力にとっては、この五人が裏切り者に見えるようだ」としている。どこにも「英雄」などという文言はない。宮崎正弘氏はどこからこの文言を持ってきたのだろうか。

なお、井上清氏について、多維新聞網は「学者」、騰訊娯楽と金鷹網は「左翼歴史学者」としている。レコードチャイナは、どこから「小説家」という文言を持ってきたのだろうか。

伝言ゲームのまとめ

多維持新聞網
「日中関係が悪化すると、民間人が交流しただけで自国民から『売国』『裏切り』と非難される。日本の極右勢力にとっては、この五人が裏切り者に見えるようだ。」
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
「中国で『英雄』視されている五人の日本人がいる。これら五人は『日本の右翼が“売国奴”と非難している』と解説が附せられている。」
騰訊娯楽金鷹網
「日本の総合軍事メディアが、中国人に愛されている五人は、日本にとっては売国奴である、と報じている。」
レコードチャイナ
(記事全体がデタラメなので要約できず。全文は前掲の通り)

[12月17日0時追記]騰訊娯楽(14日0時6分配信)より古い記事を見つけた。汽車&世界(13日21時44分配信)である。文章もほぼ同じようであるが、最後の矢野浩二氏に関する段落は欠けている。従って、伝達経路は宮崎『早読み』→汽車&世界→騰訊娯楽、そして騰訊娯楽が矢野浩二氏に関する段落を追加した、ということになるだろう。[/追記]

[12月17日16時追記]中国のライター劉彦偉さんが検証記事を書いていたので、紹介記事を書きました。[/追記]